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不毛なフィードバック

翻訳業界で、いつも不思議に思っていることがある。

それは、翻訳会社がチェック・校正というものをどう思っているかということである。

時々、フィードバックというものがある。つまり、チェッカーがどのように一次訳に手を入れたかを一次訳の翻訳者に知らせてくるのである。

そのフィードバックされた原稿を見ると、ほとんどすべての表現を棒線で消し、チェッカーが書き換えていることがある。
修正箇所をよく見てみると、解釈の誤りを修正するのではなく、表現をごちゃごちゃと恣意的に書き換えているだけであったりする。
また、解釈の違いを指摘する場合でも、「私個人の感覚では、これは間違っていると思います」と理由も示さず書かれている。

それを翻訳会社は、ただ「こう直されて来ましたが、どうですか」と送信してくるのである。

・「表現の違い」だったら、勝手に好きなように直してください。フィードバックの必要はありません。
個人個人の語感が違うのは当たり前です。誰だって当然自分の表現がよいと思っています。
・「解釈の違い」だったら、理由を示してください。「私の感覚」でものを言われても、水掛論にしかなりません。

こういうことについて、翻訳会社の側には、きちんとした考えがあるのだろうかと度々思ってきた。

・ダメチェックでダメ翻訳をいくらいじくってもダメ翻訳である。また、ダメチェックで、まともな翻訳がダメになることも多い。
・定見のないチェッカーに恣意的に訳文をいじらせても、経費と時間のむだにしかならない。


常々、そう思ってきたが、皆さんはどうお考えですか。
by ymznjp | 2012-12-12 09:21