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レートは下げません

今月になってから、新規のクライアントや新規で取引し始めた翻訳会社からの仕事が続いた。
どれも最初の仕事がトライアルのようなものなので、いつも以上に細心に時間をかけて仕上げた。
すでに納品済みだが、特にどちらも問題がなかったようで、とりあえず第一関門通過というところ。

某フォーラムを見ると、ベテランでも新規で登録ということになると千円/400字というレートが提示されるという恐ろしいコメントがあった。

私の場合、今年の前半に、最も受注量が多かった翻訳会社が翻訳業務から撤退してしまい、その他の翻訳会社からの発注も軒並み減少するという事態に陥った。
その後、いくつかの翻訳会社に登録したが、まだ今のところ「値下げ」はしていない。

夏ごろ、年に数回取引する翻訳会社から「値下げ」の打診を受けたが、断った。
その後、一定の分量がある仕事の打診をしてきた時に、「一回限り」ということで100円下げた。
今週になって、同じ会社からまた打診があって、「いくらでやってもらえますか」と値下げの要求をほのめかすような口ぶりで聞かれた。「特に以前と変えていません。100円下げたのは前回だけということでしたから」と値下げを断ったが、そのまま受注となった。

若い担当者は、とりあえず値下げを口にするのかもしれないが、
10年間、仕事に恵まれない時も精進を重ね、安い仕事を断って、100円、200円とレートを上げてきたこちらとしてみれば、そう簡単に応じるわけにはいかない。

一度下げたレートを上げる交渉が難しいのは分かっている。もし受注量が今後回復することがあったら、レートを下げた会社とは交渉をせずに縁を切ることになるだろう。
そう思えば、今までのレートを維持した結果、相手から切られても、今値下げを飲んで後からこちらから切ることになっても大差ないような気がするので、あえて値下げを飲むことはしないことにした。

10年間、この仕事をやってきたが、安値を言う翻訳会社ほど、翻訳者を軽く見て、ロクでもない要求をするものなのである。値下げを飲んだところで、「協力してくれた」と思われないばかりか、逆に「どうせ仕事がないのだろう」と思われるのが落ちだろう。
値下げを断った結果、仕事がなくなってしまえば元も子もないのだが、根気よく探せば以前のレートで新規の取引を始めてくれる会社もありそうだ。
まだ、値下げ圧力には負けないぞ。そのためには、こちらも品質面で厳しく試される覚悟が必要だけど。
by ymznjp | 2009-12-12 15:36