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感覚が違う

今日から、娘は春に入学する学校のHPにアクセスして勉強し始めた。(ちょっとは休んでもいいのに)

国語のページを開くと、太宰治の「走れメロス」が出てきた。
娘が「これ、変だよね」と作中のメロスのせりふを私に見せた。

「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスという石工がいます。私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さい。たのむ、そうして下さい。」

確かに。友人と相談もせずに、
「あれを、人質としてここに置いて行こう」なんて言ってよいのだろうか。
私がセリヌンティウスだったら、「ちょっと待ってくれ」とあわてて言うだろう。
最後に「たのむ、そうして下さい」と念を押すのもすごいな。

このせりふは、「深い信頼と強い自信ゆえ」ということになるのだろうけど、それにしても、こんなせりふが当時の読者には違和感なく受け入れられたのだろうか。
それとも、やっぱり太宰治が変な人だったからなのだろうか。
by ymznjp | 2007-01-21 21:10