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「中国出身者?」「中国籍?」

WHYさんのブログを見て考えた。

「中国人」という語を使うのは差別感があるようで抵抗があるから、
別の言葉を使うということについて。

以前、社内報に夫が紹介されていて、「●さんは中国出身」と書かれていた。
なんとなく奇異な感じがしたが、あれも、書いた人が何らかの配慮をして「中国人」という言葉を避けたのかもしれないと今ごろになってから思った。

それと小白さんが使ってらっしゃるという「中国籍技術者」。

それだと、「出身は中国」「国籍は中国」であるという別のニュアンスが出てしまうのではないだろうか。

たとえば、ある年齢以上の人たちの中には、「中国で生まれた日本人」が多くいる。
「中国出身」と言った場合、こういう人たちも含んでしまう。
何だか「中国で生まれたが、それ以外の国籍、育ち、文化などは中国のものではない」というニュアンスがあるような気がしてしまう。

同じように「中国籍技術者」という場合も、何だか国籍が強調されてしまっているようで、「僑胞」のような人を指すのかな、と思えてしまう。

やはり、国籍、文化、出自などすべてを過不足なくあらわすには「中国人」というしかないような気がする。


かつて、「ハクチ(変換さえできない」と言われていた人たちが、「セイハク(これも変換さえできない)」と呼ばれるようになり、「知恵遅れ」となって今は「知的障害者」と呼ばれるようになったように、次々と言葉を変えても「心の問題」が変わらなければ、「差別感」はどこまでもついてくる。
今日本人の側がどうしたらよいのかはわからないけれど。
結論を今出すつもりもないし出すこともできない。

(でも、やぱり、私は特に「差別」を意図する場合以外は、「中国人」という言葉を避けることはないのではないかと思う。そうでないと、逆に、もともと差別感がなく使われることも多いその言葉が差別語として定着してしまい、差別のないところに疑心暗鬼が生まれることもあるような気がする。)←私見にすぎません。小白さんのように現場で中国人に接する方は翻訳者とは別の心遣いが必要だということはわかっているつもりです。ご了承のほど。
by ymznjp | 2006-03-06 22:31