やっぱりそれは精神論

今日、NHKで「つながれない若者たち」という番組を見た。

ホームレスになって家族も仕事もない男性。
大学中退で仕事が見つからない男性。
親の過干渉で追い詰められた女性。
などなど。

最後に出演者が「世の中は合理化が進んでいくが、人間は非合理だ」とか、
「非正規なら、いろいろな種類の仕事を経験できて、それが将来実を結ぶ」などと語り、
司会者が「この番組での発言が精神論だと非難を受けるのは重々承知だが、こういう問題提起をこれからもしていきたい」というようなことを語って終わった。

その通りだ。精神論を述べて何になると私も番組を見ながら思っていた。

「つながれない若者」の中には、たしかにコミュニケーション能力がない人や甘ったれた「ゆとり世代」も含まれるのだろうが、会社に入れさえすれば、そこで人と「つながれる」人もかなりいるのはないだろうか。
でも、それができないのが、今の世の中なのだ。
「世の中は合理化が進むが、人間は非合理(何だか意味不明)」だとか、「非正規でいろいろな経験を積め」とか、
そんなことを聞いても、今、厳しい現実に直面している人には何の参考にもならないだろう。

「非正規」だって、単純な仕事以外のスキルの必要な仕事をするには実績が求められるのだし、そもそも最初から「非正規」ではなかなか実績は積めない。

こういう番組の出演者には、たいてい「大学卒」→「正社員」のような道ではなく、独自の道を行って成功した人が選ばれるようだが、みんながみんなそういうクリエイティブな道を行けるわけではないのだ。
「やりようによっては道は開ける」と言っていたが、それができないのが世の中の大半の人なのであるし、
言い方を変えれば、そういう「やりよう」が見つけられなければ生存できない世の中は、もうすでに普通の人にとっては「生きにくい世の中」なのである。

どんなひどい世の中でも、一握りの成功する人はいる。
その「一握り」を取り上げて、「ほら、だから大丈夫」と言っていては、世の中に広がる暗い現実からかえって目をそらすことになるのではないかと思った。
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by ymznjp | 2012-10-26 23:05