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差分翻訳って

千恵さんのブログでも触れられていたが、差分翻訳は厄介だと常々思う。

コストを下げるためか、そういうものの需要は増えているようだが、
なかなか翻訳者泣かせだ。

原稿の一部に単語単位でちまちまとラインマーカーを入れて、「その部分のみ元の訳文を直せ」という指示があっても、
必ずしも訳文の一部だけが対応しているわけではなく、一文全体を直さなければならないこともある。

また、前の訳文が自分が作成したものならよいのだが、
他人が訳したもので誤訳だらけの場合も、どうしたらよいのか分からない。
ひどいものになると「対応箇所を修正する」ようにと言われても、その対応箇所がすっぽり抜けていたりする場合や、一次訳が全くの見当違いの誤訳で一部の修正ではどうにもならない場合もある。

差分翻訳を処理するためには、差分箇所だけでなく、その周辺、場合によっては、全体を読まなければならない。
こちらでファイル単位の見積りができ、その料金をもらえる翻訳会社は良心的だと思うが、
ちまちまと単語単位の訂正を依頼して、平気で差分の文字数だけの料金を払えばよいと思っている翻訳会社もある。
そういうことばかりが増えて、最近、翻訳の仕事は本当につまらない仕事になってきたような気がする。
by ymznjp | 2012-02-08 08:19