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東京難民

土日に息子が帰ってきたので、「東京難民(福澤哲三著)」を貸した。

私自身は、この本を夏頃に読んだ。

内容は次のようなものである。

都内でそこそこ裕福に生活していた大学生が、夏休みを終えて大学に行き、そこで初めて自分がすでに学費未納のため除籍になっていることを知る。故郷の両親に連絡を取ろうとするが、行方不明。
住んでいたマンションも賃貸料未納で追い出される。そこから、転落の道へ…。


面倒くさい大学にも行く必要がなくなり、うざい親も姿を消してしまえば、すべてが思い通りで万々歳のはずだが、そこから、今まで当たり前だった生活がみるみる根底から崩れていくのである。
大学の学籍も、定職もなく、住所不定だと、あがこうとしてもその足場さえない。
そして、そうなったとたんに、世の中はそれまでと全く異なる様相を見せ始める。
どこからかハイエナたちが表れて足場を失ったものたちを容赦なく食い物にするのである。

最近、リビングにうち捨ててあった「新・資本論(堀江貴文著)」を拾って読んだ。そこには、「信用=お金」、「コミュニーケーション力が信用を生み、信用がお金を生む」というようなことが書かれていたが、
逆に「お金」がなければ人間関係さえ壊れていくという「東京難民」の中の状況はさらにシビアかつリアルである。


今頃、もう息子はこの本を読み始めただろうか。
一人きりの下宿の部屋で読むこの本は、ホラーよりも恐ろしいはずである。

息子は私のブログを読んでいるらしいから、言っておくが、
フフフ、
次に電話してきたときに、「家」がなくなっていないといいね。
by ymznjp | 2011-11-16 11:47