花を咲かそうよ

日曜日には、娘と美輪明宏のコンサートに行った。

もうホールに入るや、帝劇や四季劇場とはまったく違う雰囲気。
きらびやかというのか、妖艶というのか、けばけばしいというのか分からないけれど、
日常を突き抜けた何かが空中を漂っている感じだった。

こういう雰囲気はきらいではないので、すぐにご機嫌になる。
パンフレットを買うついでに、サイン本を手に取ってみると、たくさんの数をこなすのだろうに、息をのむほど美しいサインがしてあったので、
つい購入。

楽しいけれどちょっと毒のある会話。
でも、この人の熱いロマンも、強く正しい心も同時に感じられる。本当に不思議な人。

歌にも演技にも、狂気と正気のあわいにまで届くような圧倒的な表現があり、
陶酔したり、戦慄したりしているうちに、3時間もの長い時間がたちまち過ぎていった。

最後のアンコールには、定番の「花」が歌われて、
舞台の背景があふれんばかりの花模様から、金色一色に変わり、
金色の花吹雪が一面に散って、幕が閉じた。
思わず立ち上がって拍手する。

こんな演出、普通だったら、けばけばしくて悪趣味だと思ってしまうのだろうけれど、
この人がその中心に立つとなぜか納得できるものがあって、感動してしまう。
ホールを出ると、紅潮した顔のおばさまたちが(私もそうだけれど)、「よかったわねえ」と感動を口にしながら、夜の町に出て行った。
本当によかった。
このところ、生活の上でいろいろな節目を迎え、加えて仕事も忙しく、小さいことにこだわって、
気持ちもくさくさしていたけれど、
こういう我が道を生きてきた人の強さを見ると、それだけで、こちらも励まされる。

泣きなさい。笑いなさい。という「花」の歌詞。
私には泣くほど深刻な悩みもないのに、まるでわざわざ悩みたい人であるかのように、
わずかな悩みを何度も繰り返し引っ張り出しては、
気持ちを荒立たせてきた。
泣きもせず、笑いもしないで、
十分に幸せなのにそれを自覚しないまま長い時間を過ごしてしまった。
なんともったいないことをしていたのだろう。
だから、これからは、笑いましょう。そして、泣くことがあったら、気持ちのままに泣きましょう。

スピリチュアルなんてまるで信じない私だが、歌が終わるころには、
心の中にわだかまっていた濁ったものが熱せられて蒸発しまったかのように、
曇りのない気持ちになっていた。

来年には、椿姫を演じるという。ぜひ行きたい。もっと見たい。
美輪さん、ありがとう。いつまでも元気でいてね。
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by ymznjp | 2011-10-03 23:20