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「告白」を見てきた

今日はレディースデーだし、仕事も一段落ついたので、
「告白」を見にいってきた。
haruさんのブログで取り上げられているのを読んでから、見に行きたいと思っていたのだが、
仕事がだらだらと続いて、なかなか見に行けなかった。

それでどうだったかというと一言で感想をいうのは、難しい。

ストーリーとしては、おもしろかった。でも、あまり心に響くものはなかったかもしれない。

あれだけ、タフで、クールで、老獪な主人公の少年の原動力が、「ママラブ」だったり、結末が「己所不欲勿施於人」みたいなところに収束していったりとか、分かりやすくお手軽につじつまを合わせて話が進んでいくところが、底浅い感じがした。
それに、現実の世界では、学校でおこる問題の圧倒的多くは、おそらくは、貧困の連鎖など、家庭環境の悪さから生じるものであるのに、この映画の「一見問題がない裕福な家庭」や「学業が優秀な子」から諸悪が生まれているかのような、使い古された大衆迎合ぶりも、昨今の現実にまともに取り組んだものというよりは、ショッキングな物語を作って、話題を集めようとしているだけのように思えた。

問題作と言われているようだけど、娯楽として現実離れした登場人物たちのサイコぶりを楽しめばよいのかもしれない。
最後の「なーんてね」もそれでいいのだよ、ということを伝えようとしているような気がした。

そんなふうに思ったのは、うちの子どもたちが登場人物たちと近い年齢にいて、
その実体を知っているから、物語の「つくりもの」の部分が浮かび上がって見えたかもせいなのかもしれない。

ま、現実の子どもの世界も、それほど単純ではないけれど、これほどひどい逸脱は滅多にないだろう。
むしろ私が育った「昭和の時代」のほうが、もっと熱くて暗くまがまがしいパワーが子どもの心にも潜んでいるのが感じられた。今の子どもたちは、それに比べたら「草食系」でさっぱりしているように見えるのだが、どうなのだろう。
by ymznjp | 2010-06-23 21:11